いやーーーー。
終わりましたねリオオリンピックの女子マラソン。この間の選考過程含めて長い間見てきた競技だっただけに、いろいろと感慨深いものがありました。
とりあえず、結果速報を・・。
トップ3選手結果速報
1位:スムゴング(ケニア)2時間24分4秒 ※ケニア初の金メダル
2位:キルワ(バーレーン)2時間24分13秒
3位:ディババ(エチオピア)2時間24分30秒
相変わらず強い3選手です。15年の北京世界選手権で最後の最後までトップ争いを続けた4選手のうちの3人が本大会でも優勝争いを繰り広げました。
スムゴング選手は世界選手権で4位でしたので、そこから悔しい思いで練習を重ねてきたのでしょうか。
個人的には、名古屋ウィメンズ15年、16年と2連覇しているキルワ選手を応援していて、36㎞過ぎに一気にペースを上げてトップに位置していたときには、このまま優勝か?とも思いましたが、そうはいきませんでした。
残り2㎞ほどでスムゴングが仕掛け、その後はトップの位置は変わらずそのままスムゴングが優勝。ケニアに初の金メダルをもたらしました。
15年の世界選手権で優勝したディババは、最後追い上げるかと思いましたが、キルワとスムゴングの終盤のデッドヒートについていけず、最終的に3位に終わりました。
3人の中では最も若い選手となりますので、東京五輪での活躍もまだまだ期待できるのではないでしょうか。
日本人3選手結果速報
14位:福士加代子(日本) 2時間29分53秒
19位:田中智美(日本) 2時間31秒12秒
46位:伊藤舞(日本)2時間37分37秒
3選手とも、スタート時から帽子の後ろに日よけがついたようなものを被っており、TVの映像からも、ブラジルの日差しが相当程度強いものであることが伝わってきました。
特に、田中選手、福士選手などは、肌も相当焼けて、これまで同じような強い日差しの中でも厳しい練習に耐えてきたものと思いますが、やはりトップ選手たちに比べると暑さに対する耐性という部分では克服できない壁があったように見られました。
10~20㎞ほどまでは日本選手もなんとか第一集団と第二集団あたりを行ったり来たりしながらトップに食らいついていましたが、22㎞~25㎞付近あたりからのペースアップにじりじりと差をつけられ、結局メダル、入賞を逃す結果となりました。
オリンピックという独特な舞台で、なおかつあの暑さ。積極的なレース展開をすることはなかなか難しかったことが予想されます。
それでも、ゴール後の福士選手、田中選手のインタビューを聞く限り、非常に充実した42.195kmだったことがうかがえました。
福士加代子選手ゴール後のコメント
福士選手は、「金獲れなかったー!」とらしいコメントを残しつつ、オリンピックの「マラソン」という舞台が、選考される難しさや、選ばれてからの調整の難しさなどをにじませてとても難しかったが楽しいものだったと話していたのが印象的でした。
最後に「もう泣きそう」と涙をにじませており、こちらまで泣けてきました。
田中智美選手ゴール後のコメント
田中選手は、「結果は本当に悔しいもの」だが、五輪で走ることの充実感を話しており、しっかりとした準備をし、大きく崩れることなく走り切ったことに対しての安堵感のようなものが感じられました。
また、支えてもらった、第一生命や監督、周囲の人々のサポートへの感謝の気持ちを、同じく涙をにじませながら語っていた姿が印象的でした。
伊藤舞選手ゴール後のコメント
伊藤選手は、最も早い段階から代表選考が決まっていたことを、自分自身もとても強く意識していたようで、第一声からそのことに対しての反省を口にしていました。
それだけの準備期間があったにもかかわらず、自分の力が出し切れなかったことに対して、非常に申し訳なく悔しい気持ちを語っていました。
準備期間は長かったものの、その間の代表選考過程での周囲の声は、おそらく耳に入ってきて、複雑な思いもあったことと想像されます。
そういった環境含めて、自分に与えられた条件の中で結果を出せなかったのは自身の責任であると、自分の非を責めるようなコメントは見ていて本当につらくなってしまいました。
オリンピックマラソン代表選考過程に思うこと
自分は専門家ではありませんので、報道等で見る断片的な情報にて判断している部分はあるものの、素人目に見ても、上記3選手が代表選考過程において、苦悩し、そしてそこからいろいろな思いをもって準備をしてきたことがうかがえました。
もちろん、決められたルールの中で代表選考されていますので、不公正があるものではないと信じていますが、その結果によっては自身も、また周囲も納得せずにその渦中で本人も悩みながら準備をしてきた側面はあると思います。
おそらく東京五輪に向けて、複数大会での総合的判断での代表選考は変わらないとは思いますが、その件をセンセーショナルに扱うマスコミ等含め、ぜひ東京五輪に向けては選手たちがレースやその準備に十分集中できるような環境を整えてあげてほしいと強く思った今回のレースでした。
でわでわ・・。