起床からスタートまでの様子と、スタートから25km付近まで快調だった様子は以下から!
華麗なるネガティブスプリット!(予定)
さて、前半は人の多さと道幅の狭さから思うようなレース展開ができずフラストレーションがたまっておりましたが、ハーフ地点で折り返し、その後25km過ぎからは完全に人もバラけ始めます。
このあたりでは、基本追い抜くレース展開が続いていたため、根拠のない皮算用をして、ここから一気にネガティヴスプリットを決めればまだまだサブ3.5は狙える!と強気な自分をさらに鼓舞します。
華麗なるネガティヴスプリット(その時点での予定)に備え、アリストのエナジーシェルを補給。気持ちの上では、吉田香織選手もびっくりの大きなストライドをイメージしつつ、実際にはいつも通りのピッチ走法で前へ前へと脚を運びます。
しかし、ガーミンの平均ペースはいつまで経ってもk5:11から一向に縮まる気配がありません。それもそのはず、周りを抜いているので自分ではかなりペースアップしている気になっていますが25kmのラップは唯一5分を切っているものの、その後は5分5秒〜5分15秒の間を行ったり来たり。平均ペース表示が上がるはずもありません。
遠のくサブ3.5と焦る自分
前のめりな気持ちとは裏腹になかなか上がらないガーミンの表示にだんだんと焦りが募り、サブ3.5は厳しいかもしれない、との考えがよぎり、現実的な目標に切り替えよう、と弱気な思いが頭をもたげ始めます。
そして、ついに32kmを超え、さあこれからというところで、気持ちで負けてしまった自分の肉体が、徐々に言うことを聞かなくなってきます。
33kmまではなんとか5分11秒ペースで持ちこたえていたものの、ついに34kmのラップで5分33秒まで落ち込んでしまいます。35kmを過ぎ、携帯していた最後の補給食、アリストのエナジーゼリー2本目を流し込んだり、給水所の水を太ももや顔にかけてペースアップのきっかけにしようとするものの、すべて効果は一瞬のもの。ここからの7kmは本当にしんどかった。
サブ3.5を達成できそうにないという目標を失った精神的な弱さと残り7kmという距離への圧倒的失望感。脚が動かなくなってからの距離は1km進むと言うことが、果てしなく長い距離に感じます。
噂通り、35kmの壁は存在した
走っている最中は次の1kmこそは立て直せるはず、と無駄に前向きなマインドは残っていたので気付きませんでしたが、今振り返ると、いわゆる30kmの壁、35kmの壁は確実に存在したなと。今回は35kmの壁が自分の前に厳然と立ちはだかっていました。
折り返し地点くらいから抜きつ抜かれつを繰り返していた青色の長袖シャツを着たベテランランナーがいたのですが、35km付近に来てもペースを変えることなく、飄々と自分の元から離れて行ってしまいます。気づくと鮮やかな青色のシャツが遠く向こうの集団の中に消えていきます。
追いかけることも差を詰めることもままならず、このときの口惜しい気持ちは測り知れません。思うように動いてくれない自分の脚を抱えながらここから先の道のりをいかにペースダウンを抑えてゴールを目指すかに考えを切り替えます。
太陽の高さが上がるにつれ、強くなってきた日差しも身体共に疲労した自分の体力を徐々に奪い、気付くと無意識のうちに給水所を探す自分が。立ち止まって給水する他のランナーに憤っていた自分もついに、速度を緩めて確実に水を取ることを選択するように。情け無くもありますがそうしなければこの先の道のりを走りきれそうにありません。
精神的なエイド=応援だ!
そんなシンドい状況の中、唯一嬉しい出来事が。37、8km付近で沿道の歓声の中に見覚えのあるノボリを見かけたのです。遠くから見るとイエローグリーンのノボリにラビットフットという文字がくっきりと浮かび上がります。
実は、ランニングフォーム改善とランナーとの交流目的でオープン参加で2度ほど皇居の練習会に出させていただいたランニングクラブがあったのですが、その方たちがクラブのメンバー応援に駆けつけていたようだったのです。
正式メンバーではなく2回の参加ではあったものの毎回良くしていただいた先輩ランナーがいて、その方が自分に気付いて声援を送ってくれたのです。これは本当に嬉しかった。
1番辛い状況の中、知った顔が見られて尚且つ声をかけてもらえる。自分にとってこれ以上ないエイドになりました。身体的なキツさは変わらなかったものの、精神的には持ち直し、残りの距離をとにかく縮めるべく進みます。
板橋シティマラソン名物の強風
この辺りから、板橋シティマラソン名物の向かい風が強くなり、歩き始める人も圧倒的に多くなります。自分の中ではどれだけ辛くても歩くことだけは許せなかったので、上り坂になろうとも、向かい風が吹こうともペースが落ちようとも、とにかく前に進むことだけを考えていました。
フルマラソン後半を乗り切るポイントはアンガーマネジメント?
残りの距離もだんだんと少なくなってくる中、38kmと40km付近で最後の給水ポイントが。日差しはかなり強くなり、給水は必須と考えほとんど歩く程度のスピードになったとしても確実に給水を実施。
ところが、38km地点と40km地点で給水を終えていざ進もうとしたタイミングでまったく同じランナーが道を塞ぎます。38km地点では何も思いませんでしたが、40km地点では、完全に急ブレーキをかける形となり、このタイミングでの急ブレーキと脚への負荷や、二回連続、ということを考えるとどうにもこみ上げてくる怒りを抑えることができませんでした。いま思えば、彼は特に悪気はなかったと思うのですが・・。
彼のことは、仮に全身黒づくめ眼鏡ランナーとしておきます。怒りを覚えた自分は、後半のこの地点でも結構なスピードで走っていく黒づくめランナーにだけは絶対に負けたくないとの思いから、どこにそんなパワーが残っていたんだ、という突然の追い上げで、後ろにぴたりとついていきます。
すると、今までの疲れと脚の痛みが嘘のように消え、みるみるうちに周りのランナーを追い越し、目の前の黒づくめランナーを追うことだけに集中し始めます。残り1kmほどを切ると、ついにはこのランナーの後ろについていくだけでは飽き足らず、一気に追い抜いてしまいます。
こうなると何も怖いものはありません。残り1kmをとにかく全力疾走です。数百メートル先にゴール地点が見えると猛然とダッシュ。
白シャツランナーとのラストデッドヒート
気付くと、自分のダッシュに触発されたのか、白のランパンランシャツの若者がライバル心むき出しで右側を疾走しています。こちらも負けじとトップスピードで応戦しますが、白シャツの若者は、こちらを指さし、挑発するかのようなしぐさをしながら何か言っています。おそらく「ラストスパートはこうやらなくっちゃね、オジサン!」くらいのことを言っていたのでしょうか??
自分もわけがわからないテンションで「くそ―、そうきたかー、クヤシー」などと大声で叫びながらゴールラインまでを走り抜けます。結局最後の1kmが全行程の中で最も早いスピードで駆け抜けていたようでした。ゴール付近では時速23.4km出ていたようです。
人間のカラダとは不思議なものです。精神は身体を凌駕するものなのでしょうか。最後にゴールラインを駆け抜けた地点でさきほどの白シャツ若者ランナーが待ち構えており、握手でお互いの検討を称えあいました。
サブ3.5は達成ならず・・
ゴール後に止めたガーミンのタイムを見ると3:41:43を表示。サブ3.5切りが達成できないことは早い段階でわかっていたので、不思議と喪失感はありませんでした。とにかく終わったなと。
フルマラソン完走後のシャーベットは最高!
そのまま歩みを進めるとシャーベットステーションが見えてきます。疲れ切ってはいたものの、一応写真はパシャリ。自分はオレンジのシャーベットをいただくことにします。緑の芝生に腰を下ろし、シャーベットを口にすると、本当に美味しくて、満足感でいっぱいになりました。
荷物を受け取り着替えて、会場内を少し散歩。天気も良くなり、フルマラソンを走り終えたんだという充実感と安心感でとても気分が良かったことを覚えています。
板橋シティマラソン会場の様子
表彰式を、ちらっと拝見し、土佐礼子選手をパシャり。三和シャッターのマスコットが手持ち無沙汰に一人で歩いていたのが良い感じの哀愁を漂わせていました。
フルマラソン完走後のビールはやっぱり最高!
各社のブースを回りましたがランニングに関連するのはおそらくJINSmemeの体験ブースくらいでしたでしょうか?タニタのカフェ等もありましたが、今の自分に健康的な食事とか不要かな・・。どちらかというと頑張った自分へのご褒美として、ジャンキーにまみれたい気分。
気付くとにぎわう屋台の方向へ・・。他にやることもないのでやっぱり完走後は一杯いっとかなきゃだよね、ということで至福の一杯。もう、これは本当にサイコー以外の何物でもありません。
一瞬で飲み干すと会場を、後にします。入り口付近で写真撮影を頼まれたので反対に自分も撮ってもらいました。帰りはシャトルバスで浮間舟渡駅まで。
その後、ほろ酔いで調子に乗った自分は、大宮で途中下車して行列ができるつけ麺屋で20分ほど並び、生ビールと大盛りつけ麺をいただいたき、今度こそ帰路に着いたのでありました。
大分長くなってしまったので、サブ3.5に向けた対策とか、来年の板橋シティに向けた注意点とかはまた日を改めたいと思います。
とりあえず、三回に分けてお送りしていたレポートは今回で最後です。
でわでわ~。